従来の外観の形態に基づく古生物学研究では、動物卵や胚などの単純な構造や現生生物に見られない形態をもつ生物の起源を調べることは極めて困難である。本研究では、化石の生物種同定や器官の進化を探るために化石の三次元構造や化学組成を解析する手法の確立とエディアカラ紀~カンブリア紀初期の最古の後生動物化石への適用を試みた。現生サンゴの動物卵や胚の微量元素分析では、いくつかの元素に生物組織と対応した特徴的な分布が見られた。また、100~500 ミクロン程度の球状微化石の三次元構造を撮像する技術を確立し、それを地球最古のエディアカラ紀の動物胚やカンブリア紀初期の微小硬骨格化石に適用した。
|