研究課題
1. 中国江蘇省寧県に分布する九頂山層(エディアカラ系)の珪質ストロマトライト中にシアノバクテリア(フィラメント状と球状)が認められる.それらバクテリアの分布様式とラミナ形態との関連から,気泡(おそらく酸素)の痕跡と考えられる構造が識別できる.この現象を通じて,ストロマトライトを特徴づける「ラミナ」の形成要因の一端を解明した.2. 先カンブリア時代に特徴的な円錐形ストロマトライト(Conophyton)に注目し,その形態学的な意義を受光量の観点から実験的に考察した.円錐形は,形成当時の強光や紫外線に対する一種の防御形態と考えられる.3. 太古累代から形成されるストロマトライトの形成要因は,現世ストロマトライトの形成要因と必ずしも同じではない.各地質年代の「ストロマトライトの形成要因」の比較・検討から,ラミナ組織の形成要因は,形成年代や形成環境ごとの「化学的な条件(酸化・還元状態など)」や「電磁波の条件(紫外線や赤外線量を含む)」によって異なっている.シアノバクテリアで代表される光合成バクテリアのみならず,化学合成バクテリアなども関与し,主として炭酸塩鉱物の沈殿作用や溶解(ミクライト化)作用を通じてラミナが形成されている.4. とりわけ先カンブリア時代のストロマトライトの形成には,バクテリアによる「硫酸イオンの還元作用」や「硫化水素の酸化作用」に基づく「硫黄の物質循環」を考慮する必要がある.
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