研究課題/領域番号 |
25610169
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荒巻 光利 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50335072)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 強結合プラズマ / レーザー冷却 / イオントラップ |
研究概要 |
本研究は, 既存のカルシウムイオンレーザー冷却プラズマ実験装置に,新たにストロンチウムイオンのレーザー冷却系を導入することで,これまでは不可能であった「結合状態を制御したプラズマ中のイオン拡散の直接測定」と「非平衡状態を経由したプラズマの相変化の制御」という2つの実験を提案する.平成25年度は,ストロンチウムイオン生成系およびレーザー冷却系を開発し,ストロンチウムイオンのレーザー冷却実験を行った. 「ストロンチウムイオン生成」 ストロンチウムは反応性が高いため,窒素ガス充填した環境下でタンタルチューブに導入した.真空容器中でタンタルチューブを加熱し,ストロンチウム蒸気を発生させ,イオントラップ中に導入した.ストロンチウム蒸気は,電子ビームを用いた衝突電離によりイオン化され,イオントラップによって閉じ込められる. 「レーザー冷却用レーザーの開発」 ストロンチウムイオンのレーザー冷却には,422nmおよび1092nmの狭帯域波長可変レーザーが必要となる.本研究では,レーザーダイオードを用いた外部共振器型半導体レーザー(ECDL)を開発し,レーザー冷却実験に用いた. 「レーザー冷却実験」 新たに作製したイオン源およびECDLを用いて,ストロンチウムイオンのレーザー冷却実験を行った.冷却プラズマの測定には,既存の光子計数レーザー誘起蛍光計測系およびイメージインテンシファイア付カメラを用いた.カメラによる画像計測により,ストロンチウムの冷却プラズマが結晶状態へと相転移することを確認し,今年度開発した実験系が十分な性能を有することを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冷却プラズマ混合系実験の基礎となる,ストロンチウムイオンのレーザー冷却系を開発し,正常に動作することを確認しており,研究はおおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に開発したストロンチウムイオン冷却系を既存のカルシウムイオン冷却系と統合し,冷却イオン混合系実験を開始する.また,レーザー誘起蛍光測定系および画像計測系を両イオンの波長に対応させる等の改良を行う.
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