現在合成されている有機化合物の多くには、4つの異なる官能基が結合した炭素原子が含まれ、そのために目的の有機化合物だけでなく、結合の順序は同じであるが構造が鏡像となっている異性体も合成されてしまう。そこで、反応の原料となる分子の速度を大きくする技術とナノテクノロジー分野の技術を利用して, 目的とする有機化合物のみを合成するための新しい手法を開発しようと試みた。この研究の結果、原料分子の速度を十分にコントロールできることがわかった。そして、反応の結果生成した分子を検出するために必要な技術を調べることができた。この新たな手法を応用する段階に到達できたと考えられる。
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