本研究は、「キラル分子」が光や粒子との相互作用により示す動力学的挙動を実験・理論の両面から観測し、鏡像異性体間の物理化学的現象の相違点を見出すことを目的とした。独自の六極不均一電場法を用いて分子の回転状態選別と分子の配向状態選別を可能にした。 六極電場を用いたキラル分子である2ブタノールの回転状態選別の実験からは超音速分子線法による分子冷却を組み合わせることで立体配座異性体を選別することに成功した。一方、2ブロモブタンの光解離生成物の散乱分布における鏡像異性体はことなら散乱分布を示すことを示した。
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