• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

「長寿命水和電子」の探索

研究課題

研究課題/領域番号 25620018
研究機関学習院大学

研究代表者

岩田 耕一  学習院大学, 理学部, 教授 (90232678)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード分光学 / 溶媒和電子 / ミセル
研究実績の概要

本年度は,可視領域から近赤外領域での連続的測定を可能とするフェムト秒時間分解吸収分光システムを構築した.この分光システムでは,プローブ光として用いる白色光を発生させるための励起光として500 nmの光パルスを用いる.従来の分光システムでは800 nmの光パルスを用いていたが,この方法では700から900 nmの領域での時間分解吸収測定が困難であった.新たな方法では,700から900 nmの波長領域での時間分解吸収測定が可能となった.この波長領域では,水中での溶媒和電子による吸収帯が観測される.電子の溶媒和過程を精度よく追跡するための新たな方法を開発することができたといえる.
前年度に構築したナノ・マイクロ秒領域での時間分解可視吸収分光システムの性能を評価して,この分光システムの改善を進めた.このシステムでは,ポンプ光発生に利用するフェムト秒チタンサファイアレーザーとプローブ光として利用するキセノンフラッシュランプの発光を電気的に同期して用いる.光の検出には光電子増倍管を用いる.分光システム全体の装置応答時間は約10 ナノ秒であり,プローブ光パルスの持続時間は約500ナノ秒と評価された.電気的な同期のタイミングを調整することで,遅延時間を1ミリ秒まで延長できる.上述のフェムト秒時間分解可視-近赤外吸収分光システムとあわせると,100フェムト秒から1ミリ秒までの遅延時間で時間分解吸収測定を行える分光システムを構築することができた.
平成28年2月から3月にかけて中国計量学院のYe Manping博士を学習院大学に招聘した.Ye博士は溶媒和電子の分光実験についての豊富な経験を有する.Ye博士と研究代表者は,溶媒和電子についての分光実験の結果を共同で解析した.その解析をもとに,共著の論文を出版する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Femtosecond Time-resolved Near-infrared Absorption Spectroscopy of“Loose Electrons” as Photochemical Intermediates2016

    • 著者名/発表者名
      Koichi Iwata
    • 学会等名
      Recent Advances in Molecular Spectroscopy: Funamentals and Applications in Materials and Biology
    • 発表場所
      University of Hyderabad, Hyderabad, India
    • 年月日
      2016-03-03
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Weak Molecular Interaction in Condensed Phases Examined with Time-resolved spectroscopies - Raman and Near-Infrared Absorption2015

    • 著者名/発表者名
      Koichi Iwata
    • 学会等名
      5th Asian Spectroscopy Conference
    • 発表場所
      University of Sydney, Sydney, Australia
    • 年月日
      2015-10-02
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 岩田研究室ホームページ

    • URL

      http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20040130/index.htm

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi