本課題で得られた主な成果は以下の通りである。(1)嵩高いアルキル基を有するケイ素-ケイ素三重結合種(ジシリン)のX線結晶構造解析と分光学的測定を行い、ジシリンに対するアルキル基の効果を明らかにした。ジシリンの熱分解による三重結合解離を検討したが、対応する化学種(シリリン)は得られず、分子内環化生成物であるビ(シラシクロプロパン)が得られた。しかしジシリンを用いた配位子交換反応によってジシリン遷移金属錯体を世界に先駆けて合成することに成功し、性質の評価を行った。(2)合成条件の精査により、アルキル置換スピロペンタシラジエンを高収率で得ることが出来る条件を見出し、その物性と反応性を明らかにした。
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