研究実績の概要 |
NiCl2dppe触媒とマンガン粉末還元剤の存在下、[60]フラーレンと様々なベンジルブロミド反応に少量のDMSO極性溶媒を加えると、1,4-二ベンジル化フラーレン誘導体が効率的かつ高選択的に一段階でえられることを見出した。本反応において、DMSO混合溶媒を用いることが極めて重要であり、ほかの極性溶媒ではほとんど反応が進行しなかった。フラーレン二量体を用いた反応検討により、本反応はフラーレンのモノラジカル中間体の形成を経て進行することを明らかにした。また、モノ置換ヒドロフラーレンのC-H結合が銅触媒とアミンの存在下酸素により活性化され、アミン置換基を有する1,4-二置換フラーレンが高選択的かつ高効率的得られることを見出した。本反応もフラーレンモノラジカルを形成を経て進行することを明らかにした。また、ODCBとMeOH混合溶媒中、フラーレン二量体と様々な求核剤の反応にNBS試薬を用いると異なる置換基を有する1,4-二置換フラーレンが高収率かつ高選択的に得られることを見出した。本反応では、フラーレンモノラジカル種がNBSに酸化されフラーレンカチオン種の形成することを初めて見出した。また、モノ置換ヒドロフラーレンのC-H結合が銅触媒とアミンの存在下活性化され、アミン置換基を有する1,4-二置換フラーレンが高選択的かつ高効率的得られることを見出した。
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