溶液からの有機分子の核形成過程を化学的にコントロールすることで有機結晶の合目的的な形態制御を実現した.導電性の酸性ポリマーであるPEDOT:PSS薄膜の表面をグラフェン様シートで修飾することにより,有機半導体化合物の結晶形態を変化させ,表面積を増大させることに成功した.このナノ結晶薄膜から作成した有機薄膜太陽電池はその性能が向上したことから,ナノ結晶生成による活性層内の界面面積の増大が高効率化に寄与していることが示された.また,数十~数百ナノメートルの直径を有する,疎水性低分子化合物からなる水分散性粒子の簡便かつ汎用的調製法を確立し,溶媒誘起熟成機構に基づく調製後サイズ制御を達成した.
|