本研究ではアルデヒドを出発物質として用い、これに適切な遷移金属錯体触媒と酸素、あるいは過酸化水素水を作用させ生成するペルオキシヘミアセタールを鍵中間体として、アルデヒドからのアルキルラジカル種の汎用的な発生法を確立することを目的に研究を行った。その結果、アルデヒドに対し、触媒量のコバルトサレン錯体を、過酸化水素存在下、アセトニトリル中、-20℃で作用させることで、脱ホルミル化の進行したヒドロペルオキシドが良好な収率で得られることを見出した。さらにヨウ化ナトリウム存在下でコバルトサロフェン錯体を用いて同様の条件下反応を行うことにより、ヨウ化アルキルが得られることを見出した。
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