ノルコロールニッケル錯体は強い反芳香族性を示しながらも空気中で安定に取り扱うことができる特異なポルフィリン類縁体である。本研究では、様々な置換基をもつノルコロールニッケル錯体の合成を検討し、その構造と物性を探求した。その結果、メゾ位に立体障害の少ない置換基を導入するとノルコロールが固体中で特異なスタッキング構造を示すことを単結晶X線構造解析により明らかにした。この構造について理論計算により解析した。 さらに、置換基上に長鎖アルキルを導入した新規ノルコロール誘導体を合成し、これがある特定の温度領域において中間層を示すことを明らかにした。
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