本研究では、バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の研究において課題となっている新規アクセプターの開発を目的として、インデノフルレン中間体の二量化反応を利用し、良好なアクセプター性を示すと期待されるビフルオレニリデン部分構造を含む新奇な構造を有する多環状芳香族化合物を合成し、それらの有機薄膜太陽電池用アクセプターとしての機能を調査した。その結果、目的の多環状芳香族が一般に用いられているフラーレン誘導体よりも優れた光エネルギー変換効率を示すことがわかったが、骨格に導入できる置換基に制限があることがわかった。理論計算に基づきその理由を考察するとともに、類似の構造をもつ多環状芳香族を合成した。
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