固体材料の機能性は、その組成や結晶構造のみならず、粒子形態にも大きく依存する。有機添加剤を用いて合成された無機材料は、官能基の間に働く様々な相互作用(水素結合やπ-π相互作用など)の活用により、熱力学的に安定な等方性粒子(球や立方体)のみならず、異方性粒子(一次元ロッドや二次元シート)や高指数面が露出した多面体粒子としても得られる。一方、無機材料のなかでも無機イオン性化合物は、等方的かつ長距離に働くクーロン相互作用により構築されるため、粒子形態の制御が困難である。本研究を通じて、無機イオン性化合物の粒子形態を制御する手法を提案し、粒子形態に立脚した機能開拓を行った。
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