金属イオンと架橋性配位子からなる錯体材料を用い、その結晶構造を制御することによって、内部で一方向にのみイオンが伝導する固体材料の合成を目標とした。 その結果、Zn2+イオンからなる一次元鎖状構造に沿ってプロトン(H+)が異方的に輸送される現象を見出し、伝導度は10(-3) S/cm 以上の高い値であった。またこの結晶中にCo2+イオンを固溶化させ、一つの結晶の中でZn2+イオンとCo2+イオンの異なるドメインを有する錯体結晶を合成することができた。このドメイン構造制御により、一方向のみへとイオンが伝導する高次構造の合成が期待される。
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