水素分子はクリーンなエネルギー源として注目されている。アルコールをケトンあるいはアルデヒドに変化し、そこで発生する水素分子を別のケトンあるいはアルデヒドに移動させる水素移動反応は広く研究されているが、そこで発生する水素分子自体を取り出す反応の成功例は非常に限られている。本研究では鉄錯体を触媒として、2-ピリジニルアルコール誘導体を対応するアルデヒドあるいはケトンに変換する反応系の構築に成功した。この反応は水素犠牲試薬を用いないで反応が効率的に進行するため、水素分子を発生させることができる。鉄錯体触媒を用いた触媒反応としては世界最高の67000触媒回転数を得た。
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