界面電荷移動遷移は、光吸収と同時に界面電荷分離が起こるため、エネルギー損失を伴わない直接的な電荷分離が可能である。本研究課題では、ワイドバンドギャップ半導体である酸化チタンナノ粒子に硫黄化合物を化学吸着させることで、酸化チタン表面に結合した硫黄原子から酸化チタン伝導帯への界面電荷移動遷移が可視域に発現することを見出した。さらに、この複合材料を太陽電池へ応用することで、界面電荷移動遷移により、内部量子収率が約60-70%程度の光電変換が起こることを明らかにした。本研究により、酸化チタンと硫黄化合物を組み合わせることで、界面電荷移動遷移を示す新たな複合材料を作製できることが示された。
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