本研究では、アミノ酸やヌクレオチドに頼らない完全人工系による配列-立体構造完全相関系の有機分子の探索を目的とした。本年度は、α、β位で連結させたオリゴチアゾールの設計・合成ならびに構造評価を行った。α、β連結オリゴチアゾールはその配列様式により多数の構造異性体が考えられる。その中でも、頭尾連結様式を有するオリゴチアゾールが3,4,6,8量体において螺旋構造が形成されていることを見出した。また、頭尾連結に対し、配列逆転点を導入することで光応答性のオリゴマーを作成できた。光応答性オリゴマーは光照射により可逆的にヘリックス構造の崩壊-再構成のダイナミックな挙動を示した。
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