研究成果の概要 |
ジカチオン性ルテニウム錯体を触媒とするエチニルビアリールのビニリデン錯体経由酸素原子移動反応を検討したところ、環化異性化反応が進行した。本反応は、広範囲の反応基質で進行し、フェナントレンおよびその複素環類縁体を与えた。 また、末端にトリメチルシリル基を有するシリルアルキンから、1,2-シリル転位によりビニリデンカルベン錯体を発生させ、引き続く酸素移動反応によるケテン発生を試みた。その結果、ニトロンを酸素原子供与体とすると、少なくとも一つのトリメチルシリル基を有する1,6-ジインから酸素原子移動型[2+2+1]環化付加反応が進行し、シリルフランが得られた。
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