研究課題/領域番号 |
25620084
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平野 康次 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70532696)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 求電子的アミノ化 / アミノホウ素化 / ヒドロアミノ化 / 銅触媒 / 触媒的不斉合成 / 光学活性アミン |
研究概要 |
研究一年目の計画に則り、まずスチレン類の触媒的アミノホウ素化反応の開発に着手した。その結果、銅/ビスホスフィン触媒とリチウムtert-ブトキシド塩基存在下、ビス(ピナコラート)ジボロンとヒドロキシルアミンを作用させると、目的とするアミノホウ素化反応が進行する事を見出した。本反応は位置選択的に進行し、スチレンのα位にアミノ基、β位にホウ素基が選択的に取り込まれた。また、出発物質がE-アルケンの場合はsyn体を、Z-アルケンの場合はanti体のみを単一のジアステレオマーとして与えるという立体特異性も有していることがわかった。さらに、光学活性なビスホスフィンを支持配位子として用いることで、触媒的不斉合成にも成功した。このようにして得られたアミノホウ素化生成物は、ホウ素基を足掛かりとした様々な分子変換が可能であり、対応する1,2-アミノアルコールやジアミン、またカップリング反応への応用が期待できるボラート塩へと誘導できる。一方、同様の光学活性銅触媒存在下、ビス(ピナコラート)ジボロンに代えてヒドロシランを用いれば、スチレン類のエナンチオ選択的ヒドロアミノ化反応が進行する事も見出した。従来のヒドロアミノ化触媒では課題の多かったβ位に置換基を有するスチレンに対しても、高収率かつ高エナンチオ選択的に反応が進行する点は特筆に値する。これら二つの触媒反応はスチレン以外のアルケン、例えばメチレンシクロプロパンやビシクロアルケンに対しても適用可能であることを最近明らかとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の計画通り、これまで先例のなかったスチレン類の触媒的アミノホウ素化反応の創出に成功した。また、触媒的不斉合成反応にも展開することができた。さらに、当初は予想していなかったアルケン類の触媒的不斉ヒドロアミノ化触媒の開発にも成功しており、当初の予定を超えて研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究一年目で得られた知見を基に、触媒的アミノホウ素化ならびにヒドロアミノ化の基質適用範囲の更なる拡大を図る。特に、触媒的不斉合成について注力する予定である。また、得られる生成物、とりわけアミノホウ素化生成物はホウ素基を足掛かりとした多様な分子変換が可能なため、これを利用することで興味ある生理活性を有する有用有機化合物の短工程合成も検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究一年目において、当初予定していなかった新規不斉ヒドロアミノ化触媒を偶然にも見出した。この知見について更なる実験の施行及びデータ解析を行う必要があり、遅延が生じたため。 初年度の研究途中に偶然にも見出した新規不斉ヒドロアミノ化触媒と、本来計画していたアミノホウ素化触媒の二つに関する実験の施行及びデータ解析のために使用する予定である。
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