クロロフィル化学発光系において,糖類マルトースの特異的な誘導時間遅延現象を見出し,0.1μMのマルトースの時間計測-化学発光測定法(iTem-CL法)を確立した。また,自己触媒反応における反応機構の速度論的解析を例として,本法が定感度すなわち“無限感度”法であることを証明した。小型装置の試作については,現有の化学発光測定装置(マイクロテックニチオン製ジーンライトS-200)を用いた場合,装置本体のハード面の改良を行わなくとも本法が,使用可能であった。本法は,臨床分析(点滴剤中のマルトース分析)や環境分析(河川水中のRu(III)分析)に対する簡便な分析法であり,今後広範囲な応用が期待される。
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