ICP発光分光分析法の高感度化を目的として,静電シールド法を適用した。シールドの接地とプラズマ操作条件の最適化によって,いくつかの元素のバックグラウンド等価濃度(BEC)を約4~10倍向上させることができた。発光スペクトルやプラズマの半径方向における発光強度分布を精査し,BECの向上がバックグラウンドの著しい低下によるものであることを突き止めた。異なる素材のシールドをICP質量分析法に適用し,シールド素材の影響を系統的に調べた。その結果,SUS304が感度,耐久性,コストの点で優れていることを見出した。
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