研究課題/領域番号 |
25620123
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
百武 篤也 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70375369)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | SHGイメージング / アゾベンゼン / 膜染色 / SHG顕微鏡 / 無発光性色素 / バイオイメージング / 第二高調波発生 / 膜電位 |
研究概要 |
細胞イメージングには蛍光性分子が効果的に利用されており、我々もこれまでpH応答型、極性応答型、2光子蛍光イメージング対応型の蛍光試薬や、併用するケージド化合物を開発してきた。また申請者らは、第二高調波発生(Second Harmonic Generation = SHG)を利用した、SHG2)イメージング法を行っている塗谷らとの共同研究で、我々が開発した2光子蛍光イメージング用膜染色色素を、SHGイメージングに適用した。この研究を通じて、SHGイメージング専用の色素は現在市販されておらず、蛍光色素をSHGイメージングに流用していることを知り、専用色素開発の必要性を痛感するとともに、SHGイメージングには蛍光性分子を用いる必要がないことに着目した。さらに、無蛍光性分子のSHGイメージングで使われた例はない事がわかった。そこで本研究では、SHGイメージングにおいて、無発光性分子で十分な強度のSHGシグナルを得る方法を確立することとした。具体的には ・無発光性イメージング色素で、SHGシグナルの膜電位依存性がとれることを証明する ・様々な無発光性イメージング色素を開発し、細胞モデル系(ベシクル)で膜染色用の蛍光色素の蛍光に対する、無蛍光性色素の影響を調べ、新たな細胞イメージング分野を開拓する 以上の2点を目的とした。初年度はこれを達成するため、様々な末端置換基を有する一連の膜色素親和型アゾベンゼンの合成に成功した。現在SHGシグナル強度と分子構造との相関性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的達成には様々な置換基を有する一連の分子の合成が必須となるが、それをクリアできたため。また細胞膜への取り込みにも成功し、SHG顕微鏡によるSHGシグナルのイメージングに成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
例えば本研究の無発光性イメージング色素で、SHGシグナルの膜電位依存性がとれることを証明する等、生物学的な有用性を示す。また様々な無発光性イメージング色素を開発し、細胞モデル系(ベシクル)で膜染色用の蛍光色素の蛍光に対する、無蛍光性色素の影響を調べ、新たな細胞イメージング分野を開拓する等、今後の研究の発展を見据えた汎用性を示す。さらに、様々な場面で最適な構造の分子を提供できるようにするため、より迅速に合成できる技術を確立する。以上のことを今後の推進方策とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会開催が3月末であったため。 学会旅費(68,180円)
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