研究課題
挑戦的萌芽研究
抗m6A抗体の特異性および免疫沈降の条件を検討するために、大腸菌のトータルRNAに対し、免疫沈降を行ったところ、37位にm6A修飾を持つtRNAValが特異的に沈降することを確認し、回収率や精製度から抗体量や洗浄の条件などの検討を行った。次に酵母SK1株を用いて、胞子形成を誘導後、m6A修飾酵素であるIME4の発現量が最大になる3時間後にtotal RNAを回収して、オリゴdTビーズによるpolyA(+)RNA画分の濃縮を二回行った。RNAの断片化の条件検討を行い、ポリアクリルアミドゲルで分離したのちに50-100塩基長のRNA断片を切り出し抽出した。ScriptSec v2 RNA-seq (Epicentre)を用い、Strand-specificなcDNAを作成した。cDNAの品質をバイオアナライザーで確認後、イルミナ社のシーケンサーで解析した(国立遺伝研の豊田敦先生との共同研究)。得られたリードをSK1のゲノムに張り付けたところ、リードの張り付き方にむらがあることが判明し、cDNAを再調製することになった。in vitroにおけるm6A修飾の再構成を行うために、メチル化酵素であるIme4pとそのパートナータンパク質であるMum2pおよびSlz1pの組換えタンパク質の発現と精製を行っている。さまざまなタグと発現系を検討したところ、SUMOタグを用いた大腸菌の発現系で可溶性が大幅に向上した。
3: やや遅れている
Strand-specificなcDNA化が予想外に難航することが判明した。また、m6A-seqの解像度を向上させるためにはcDNAの平均長を短くすることが重要であるが、その際に生じるバイアスも結果に影響していると考えている。
m6A-seqの検討を続けながら、in vitroでのm6A修飾の再構成をめざし、in vitroメチル化による修飾部位の同定法の確立にも活路を見出したいと考えている。
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