ヒトゲノムプロジェクトは遺伝子発現機構が、従来の認識を遙かに超え複雑であることを明らかにした。特に、種々の難治性疾患の原因としてRNAに着目する必然性が浮上した。本研究では、RNAの機能と疾患との関係を明らかにする上で必須である、RNAの選択的高感度検出法(RNA診断法)の開発を行った。その結果、(1)特定の配列を持つRNAを無細胞系、生細胞系で高感度に検出する蛍光分析法を確立し、例として筋ジストロフィ症発症に関わるRNA異常の新規診断法を提案した。(2)RNAとタンパク質との複合体の遺伝子制御機能に着目し、生細胞中での検出法を開発した。これらの結果は、難病治療法開発に大きく寄与すると考える。
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