生体において酸化還元(レドックス)バランスは、エネルギー産生、情報伝達、生活習慣病、癌、老化などに関わっており非常に重要である。本研究では、生体におけるレドックス解析を目指し、生体深部での優れた解析能をもつ核磁気共鳴法と、その感度を劇的に向上させる核偏極技術を用いる核偏極分子プローブの開発を行なった。核偏極技術を用いる上で一般的に問題となっていた、高感度化維持時間の短さの問題を多様な分子構造を検討する事で、打開できる可能性を見いだした。また、核磁気共鳴分子プローブが対象をセンシングする上で重要な、センシングに伴う化学シフト変化を誘起するメカニズムに関しても候補を見つける事が出来た。
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