昨年度は、我々の作製したリン脂質非対称膜リポソームを用い、ペプチドをリン脂質非対称膜リポソームに添加するとリン脂質の分子運動(フリップ-フロップ)が促進されることが観察された。 今年度は、バキュロウイルス発現系により、リン脂質と相互作用する膜タンパク質(フリッパーゼ)を発現させ非対称膜リポソームへ再構成の条件検討及び機能観察を行った。この膜タンパク質存在下においてリン脂質の輸送能が共焦点レーザ顕微鏡にて観察された。細胞膜ではフリッパーゼは非対称膜維持に関与しているタンパク質であることから、フリッパーゼを再構成することにより非対称性を維持したリン脂質非対称膜リポソーム作製に成功した。
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