サクランは光合成微生物藍藻から抽出される天然高分子である。ここではサクランの液晶のポリドメインの有無による粘度変化を調査した。サクラン1wt%水溶液は弱いゲル状で、室温、流動が無い状態では液晶のポリドメインを形成する。せん断速度1s-1以上では、定常流粘度が急激に低下するチキソトロピー挙動を示す。また、高速流動下ではポリドメインが崩壊しモノドメイン化する。反対に、せん断速度を遅くすると粘度が時々刻々と増加する負のチキソトロピー性を示すが、低速流動下でもポリドメインが崩壊しモノドメイン化する。動的粘弾性測定結果から、イオン吸着は鎖間架橋など、ミクロスケールで生じていると考えられる。
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