構造が柔軟な層状配位高分子が、気体吸収においてゲート現象を示すことはこれまでの研究で明らかになっていたが、ゲート現象の起源、機構の詳細については不明であった。そこで、最もゲート現象を顕著に示すELM-11([Cu(ビピリジン)2(BF4)2])のCO2吸収に伴う構造変化について、Cu2+の電子スピン共鳴および1H-NMRの緩和時間、赤外吸収の測定を行い、ゲート現象について総合的に考察した。また、配位高分子以外の無機化合物で気体分子の吸収におけるゲート現象を示す新規な物質として、酸化黒鉛系の層状化合物について検討し、水蒸気-CO2混合気体に対してゲート現象を示すことを見出した。
|