火山灰中に含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)濃度を正確に測定する方法を確立した。桜島が噴火したときに得られた降灰を採取し、PAH濃度を測定したが、10種の3-4環PAH合計濃度は1.6-5.1 ng/gであり、微粒分ほどPAH濃度が高い傾向であった。また、降灰量が多い場合ほど、降灰中の水銀濃度は低くなった。火山降灰は、自由対流圏を含む大気中のエアロゾル捕集材として機能し、この中に含まれるPAHや水銀などの有害成分を吸着することが明かとなり、大気エアロゾル成分の年次変動を反映することがわかった。しかしながら、これらの成分において、越境大気汚染の割合を特定するまでには至らなかった。
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