多電子移動可能な金属錯体であるノンイノセントな配位子を有するニッケル錯体およびその異性体であるシッフ塩基ニッケル錯体を触媒として用いて、光増感剤、犠牲剤からなる触媒システムにおいて水から水素への可視光による光還元反応を行った。その結果、TON 300~830程度のニッケル錯体としては高い触媒活性を示すことがわかった。また、置換基の効果についても検討した。一方、触媒としてルテニウム錯体およびイリジウム錯体を用い、犠牲酸化剤としてセリウム塩を用いることで、水から酸素を生成する反応を試みた。その結果、両錯体が酸素発生の触媒として機能することを明らかにすることができた。
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