研究課題/領域番号 |
25620148
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今堀 博 京都大学, 物質ー細胞統合システム拠点, 教授 (90243261)
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研究分担者 |
高野 勇太 京都大学, 物質ー細胞統合システム拠点, 助教 (60580115)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 人工光合成 / ジアザポルフィリン / 電子移動 / フラーレン / 連結分子 |
研究概要 |
本研究は人工光合成水分解を用いたエネルギー技術を確立するため、1)世界最高レベルの触媒回転数と触媒回転頻度を有する光増感型水分解触媒の開発、2)上記光増感型触媒を基にした人工光合成水分解デバイスの構築と高効率な物質変換系の実現、を目指している。平成25年度は水酸化可能な高い酸化能力を有する新規ポルフィリン誘導体の合成を行い、さらに光誘起電子移動により対応するポルフィリンラジカルカチオンが生成可能かの確認を行った。具体的にはポルフィリンの2つのmeso-位が窒素原子で置換された5,15-ジアザポルフィリン(DAP)に着目した。DAPは光捕集能がポルフィリンに比べて向上しており、これに代わる電子ドナーとして期待できる。しかしながら、その合成上の制約から、 DAPを用いた研究はほとんど進んでいない。そこで、亜鉛DAPを用いたドナー・アクセプター連結分子(ZnDAP-C60)を合成し、同じスペーサーを有する亜鉛ポルフィリン参照化合物(ZnP-C60)と比較することで、DAPの光学・電気化学・光・光電気化学特性の解明を行った。その結果、ZnDAP-C60連結分子における電荷分離寿命はZnP-C60連結分子と比べて4倍長くなり、この違いが可視光領域における光電変換特性に反映されることがわかった。DAPの優れた光捕集能も勘案すると、DAPが人工光合成系の構築に際して良好な光増感剤および電子ドナーとなりうることを証明できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポルフィリンよりも光捕集性に優れ、高い光酸化力を有するジアザポルフィリンを開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
開発したポルフィリン誘導体を半導体電極上に水酸化触媒とともに固定化し、光駆動による高効率な水酸化の実現を目指す。
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