本課題では、有機太陽電池への応用を念頭に置き、可視~近赤外光を効率よく捕集する核置換アザポルフィリンの創成をめざした。まず、ポルフィリンのメソ位が窒素核で置換されたジアザポルフィリンの外周部にπ共役置換基を導入する手法を確立し、得られた誘導体の構造と光物性・電気化学特性との相関を調べた。その結果、電子供与性の置換基を導入することにより分子内電荷移動が生じ、π系全体の可視光捕集能が大幅に向上することが明らかとなった。さらに、ピロール環にπ共役置換基を持つアザジピリン-ホウ素錯体および参照系化合物を合成し、近赤外光の捕集能を高める上で窒素置換が有効な手法となることを明らかにした。
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