研究課題/領域番号 |
25620160
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉川 浩史 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60397453)
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研究分担者 |
谷藤 尚貴 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80423549)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノポーラスカーボン / ゼオライト / シリカ / 二次電池 |
研究概要 |
炭素材料は、その軽量さ、強度、化学的・熱的安定性といった様々な長所から、衣服や飛行機の構造材料など様々なところに用いられている一方で、近年、電池などのエネルギーデバイス材料としても大変注目を集めている。なかでもナノポーラスカーボンは、その空孔や高い比表面積などから、電池電極や水素吸蔵など多方面での応用が期待されるが、その作製法の確立を含めて、最大限の性能を引き出せていない。そこで本研究では、新たな作製法の開拓による高機能なナノポーラスカーボンの開発とそれらを用いた各種エネルギーデバイスへの応用に取り組んだ。 今年度は、高機能な多孔性炭素材料を開発するうえで、もっとも重要な作製条件のスクリーニングを開始した。テンプレートとして様々な孔径を有するメソポーラスシリカやゼオライトを利用し、孔内に炭素源となるスクロース類を導入した後、高温で焼成、HFによるテンプレート除去を行ったところ、ナノポーラス構造を有する炭素材料の作製に成功した。しかしながら、これらの孔径や表面積は導入するスクロース類の量に大きく依存することが分かった。現在、高い表面積を有するナノポーラス炭素の作製を目指して、添加するスクロースの量、焼成条件(温度や時間)、HFでの除去条件(浸漬時間)について検討中である。また、これまでに作製したナノポーラスカーボンの一部について、正極活物質とのナノ複合化を行い、得られたナノ複合体を正極とする二次電池の特性を測定したところ、グラフェンやナノチューブを用いたナノ複合体よりも高い特性を得ることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的および計画に記載していた通りに、シリカやゼオライトといった様々な鋳型を用いて、ナノポーラスカーボンを多数作製することができた。また、これらを用いた電極材料の創製とその電池特性までを検討した結果、グラフェンや単層カーボンナノチューブといったナノカーボンを用いた場合よりも高性能を示すことを見出した。これらの結果は、当初の予想通りであり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はテンプレートとして、近年注目を集めている多孔性材料MOF(金属有機構造体)を用いることにより、金属ナノ粒子内包型の炭素材料作製にも取り組む。得られた炭素材料に関して、二次電池の正極材料の導電性付与剤としての応用を試みるとともに、負極材料、キャパシタとしての性能を検討する。さらには、燃料電池や水素吸蔵材料としての応用も視野に入れている。最終的には、これらの機能解明を放射光施設を利用しておこない、より高機能な次世代エネルギー材料の創製へとつなげたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、主に高機能な多孔性炭素材料の作製研究に従事した。このような炭素材料を作製するうえで必要となる試薬及びガラス器具といった消耗品類、さらに装置類は、すでに研究代表者が所属する名大側の研究室に揃っており、本研究を実施するうえで新規に購入するものはそれほど多くなかった。また、研究初年度ということもあり、研究は順調に進んでいたものの、当初予定していた国内および国際会議での発表を見送ったため、旅費に関しても研究代表者は使用しなかった。その結果、次年度使用額が生じた。 次年度は、本年度に得られた結果をもとに、デバイス特性の開拓を積極的に進めていく。さらには、その結果をもとに新しい炭素材料の作製法を開拓する。そのため、研究室に在庫がない消耗品類(試薬、器具)を多数購入して研究を進める計画である。また、遠心分離機や超音波分散装置を導入して、より効率的な炭素材料の作製を行う予定である。 なお、次年度は、研究代表者と研究分担者が打ち合わせや共同研究を行うための旅費や滞在費にも支出する。また、本研究で得られた成果を国内および国際会議で発表するための旅費にも使用する予定である。
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