イオン液体(融点が100 °C以下の塩)開発において、一般的に分子量が増加すると融点も上昇する傾向がある。一方、我々はこれまでにPOSSと呼ばれるシリカの立方体構造を有する分子を複数電荷アニオンとし、各頂点にイオン対を配置すると、それらの融点が低下するのと同時に、熱分解温度が上昇することを見出した。今回、POSSやアダマンタン等を核としイオン対を集積した分子を作成し、イオン液体としての熱物性評価を行う。また、フィラーとしての効果やイオン性液晶を形成させ熱分解温度の向上を目指すとともに、色素の配列による光学特性の変化についてナノ構造との相関を調べる。
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