研究課題
家蚕絹とセグメント化ポリウレタンのヘキサフロロイソプロパノール混合溶液を作製、エレクトロスピニング(ES)法で不織布状とし、繊維平均径の分布、引っ張り強度、伸度等の物性を測定、絹のみの場合と比較した。ポリウレタンを混合することによって、湿潤状態(生体中に移植した状態を想定)で、絹のみの場合より、高い強度と高い伸縮性を併せ持ち、より優れた再生医療材料となることを示した。さらに、乾燥状態での絹とポリウレタンとの固体NMRによる相溶性実験や含水状態で、固い所を強調する13C CM/MAS NMR、柔らかい所を強調する13C INEPT、その両方を検出する13C DD/MAS NMRを測定、そのキャラクタリゼーションを十分に行い、本材料の物性発現と構造や運動性との関連に関する知見を集積した。引き続き、本材料で心臓パッチ用不織布を作製、イヌに移植した結果、移植時の針穴からの血漏れも少なく、既存のパッチ材と遜色のない、優れた操作性を有する事を明らかにした。イヌ移植後の狭窄や拡張は認められず、10カ月後に摘出したパッチには内膜が形成されていた。さらに、一層の応用を目指して、絹とポリウレタンの不織布でマウス総頸動脈用の筒状人工血管を作製、移植評価実験を行った。移植後の人工血管の染色評価に関しては、現在、切片作製中であるため十分なデータは得られていないが、特に強調すべき事は、1mm以下の直径で極めて細いために実験の難しいマウスへの移植実験を、物性の大幅な向上によってスムースに行うことができた点である。
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