研究課題
生体に優しいフレキシブルなデバイスの実現を目指して,フィルムの湾曲に伴う表面の膨張に対応できる伸縮可能な導電性材料やセンサーの開発が活発である。しかしながら多くの場合数パーセントの膨張歪みで破断してしまう。本研究では,高伸縮可能な物質デバイスを作るのではなく,これまで見過ごされてきたフィルム基板の湾曲に伴う膨張収縮に着目した。湾曲しても表面が膨張しない歪みゼロフィルムを設計・創成する事により,幅広い高性能物質をフレキシブルエレクトロニクスへ適用可能となり,研究分野進展に大きく貢献できる。さらに,材料の柔らかさや伸縮を三次元的に精密制御できる材料の創製が実現し,他分野への波及効果も大きい。本年度はより高精度で湾曲に伴う歪みをリアルタイムで定量的に自動測定できる装置の開発を行った。サンプルホルダーの押し込み部の精度を高めるとともに,装置の性能向上を図る事により,単層フィルムの歪みを0.1%以内の誤差で計測できることが明らかとなった。さらに,柔軟なPDMSフィルムの湾曲外面では,従来の単純な押し込み方向と平行方向の膨張と垂直方向への収縮ではなく,両方向において膨張することを見いだした。
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Nat. Commun.
巻: 7 ページ: 11156
doi:10.1038/ncomms11156
http://www.polymer.res.titech.ac.jp/