光-力学エネルギー変換を行うアゾ高分子PDR1MAについて、波長473 nmの活性化光によって生じる表面レリーフの形成メカニズムを光学顕微鏡を用いたin situ測定によって検討した。PDR1MAは100℃以上の高いガラス転移点を有し、室温においては分子運動は凍結されている。しかし活性化光の照射によってガラス転移点が低下し、室温においても分子が運動することが顕微鏡による分子ダイナミクスの計測から明らかとなった。このため活性化光を照射した領域内のPDR1MA分子が拡散し、未照射領域に到達したところで運動が凍結される結果、未照射領域にPDR1MAが蓄積され、表面レリーフを形成することが分かった。
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