研究課題/領域番号 |
25620179
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90120930)
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研究分担者 |
須賀 健雄 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (10409659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気相重合 / 導電性高分子 / ラジカル / 二次電池 / 電極活物質 / 電荷貯蔵 / 電荷輸送 / 複合材料 |
研究概要 |
(1) 気相重合を用いたπ共役高分子/ラジカルポリマー複合層の形成 気相重合法は、予め化学酸化剤(例えばp-トルエンスルホン酸鉄(III)(Fe(OTs)3)を所定量塗布した基板をモノマー(EDOT)雰囲気下に置くことで、モノマー蒸気が基板上の酸化剤層に浸透していき、基板上でPEDOTが望みの膜厚でその場形成できる。本年度はレドックス高分子として、p, n型ラジカルポリマーを選択、PEDOTとの複合化を検討した。酸化重合はラジカル機構を経るため、予めp型のニトロキシドラジカルポリマーとFe(OTs)3を混合、酸化体のオキソアンモニウムへと誘導することで、重合時のラジカル停止反応を抑制し、副反応なくPEDOTをその場形成できた。また、重合後エタノールで洗浄することでラジカルが簡便に再生できる。一方、n型ラジカルポリマーとして知られるガルビノキシルポリマーについては前駆体を用いて気相重合し、その後塩基性下で化学酸化することでラジカル/PEDOT複合層を得た。酸化剤とラジカルポリマーの仕込み比を制御することで組成比の異なる複合層を数ミクロン厚で簡便に形成できた。 (2) π共役高分子/ラジカルポリマー複合層の電気化学特性 組成比と導電性の相関、異方性、界面積高い導電パス構築の観点から蓄電物質として電気化学特性を検討した。通常ラジカルポリマーのみでは導電性がないため膜厚100-200nmと薄膜での評価が主であったが、本手法では数ミクロン厚でも高い電流密度での酸化還元反応、電荷貯蔵が可能であった(30秒で充放電可)。基材としてPETファイバーの不織布等に形成されたp, n型/PEDOT複合電極を両極としてフレキシブルな全有機二次電池を作成することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りラジカル高分子と導電性高分子の複合化に成功した。水分散性のPEDOTと有機溶剤にしか溶けないラジカルポリマーでは、単純混合による複合化はできない。またラジカルが酸化重合を阻害するため、一時的なオキソアンモニウムへの誘導が鍵となることを明らかにした。得られた複合層は基材の種類、形状を選ばずその場形成できるため、電池以外への応用も大きく期待される。
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今後の研究の推進方策 |
気相重合の対象をPEDOT以外の導電性高分子、有機半導体へ拡張する。また複合化するラジカルポリマーに限らず他のレドックス(高)分子との組み合わせも合わせて検討し、有機薄膜太陽電池の光電変換活性層への応用を想定している。 二次電池の電極としては交流インピーダンス法を用いて、複合層の組成、膜厚との相関を明らかにするとともにラジカルSOMOのレドックスとπ電子系の相補的な電荷授受の視点で評価する予定である。
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