研究課題/領域番号 |
25620186
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 真平 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (20362395)
|
研究分担者 |
マクナミー キャシー 信州大学, 繊維学部, 准教授 (40504551)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 窒化鉄 / 熱安定性 |
研究概要 |
窒素原子と強く相互作用する(=窒化物形成の自由エネルギーが負の大きな値を持つ)第3元素(M)がドープされた試料(a”-MxFe16-xN2, x < 2程度)は、スピネル型酸化鉄を出発原料として、水素ガス還元・アンモニアガス窒化を行うことにより作製を試みた。第1段階である水素ガス還元過程では、ドープされている第3元素が比較的還元されにくい元素であることから、非ドープ試料と比較して、高温度での還元が必要となった。還元後に現れる金属鉄相の格子定数は、金属鉄とは異なる値を示していることから、金属鉄相に第3元素がうまくドープできていることが示唆された。続いて、第2段階であるアンモニアガス窒化を行ったが、窒化がほとんど進行しなかった。そこで、H26 に予定していた反応条件のスクリーニングを前倒しして行った。特に、高温水素ガス・高温アンモニアガス雰囲気下での固相反応が直接評価可能な「その場XRD測定装置」をフル活用し、反応条件のスクリーニングを加速させた。その結果、第3元素がドープされたFe16N2相を生成する反応条件を見いだすことに成功した。更に、不純物相の割合が10%未満となるような高純度試料の合成にも成功している。a”-Fe16N2相の存在自体は1950年代初頭には知られていたが、準安定相化合物であることが災いして、現在でも高純度試料の合成すら困難な状況が続いている。更に第3元素ドーピングにより試料の合成は更に困難になることが予想されている。第3元素がドープされたFe16N2相の合成方法の確立は、合成化学的観点から見て極めて優れた成果といえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドープ試料(a”-MxFe16-xN2, x < 2程度)は、第3元素(M)ドープが容易なスピネル型酸化鉄を出発原料として、水素ガス還元・アンモニアガス窒化を行うことにより作製を試みたが、芳しい結果を得ることがでなかった。しかし、反応条件のスクリーニングを前倒しして行った結果、第3元素がドープされたFe16N2相の形成を確認する事ができた。当初の予定と比較して、ドープ試料のTd測定を行うことができておらず、現在までの達成度としては、やや遅れていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
反応条件のスクリーニングを前倒しして行った結果、第3元素がドープされたFe16N2相の形成を確認する事ができている。更に、不純物相の割合が10%未満となるような高純度の試料の合成にも成功しており、今後は反応条件を更に精査することにより、研究を加速させる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ドープ試料(a”-MxFe16-xN2, x < 2程度)は、第3元素(M)ドープが容易なスピネル型酸化鉄を出発原料として、水素ガス還元・アンモニアガス窒化を行うことにより作製を試みたが、芳しい結果を得ることがでなかった。しかし、反応条件のスクリーニングを前倒しして行った結果、第3元素がドープされたFe16N2相の形成を確認する事ができた。当初の予定と比較して、ドープ試料のTd測定を行うことができていないため。 反応条件のスクリーニングを前倒しして行った結果、第3元素がドープされたFe16N2相の形成を確認する事ができている。更に、不純物相の割合が10%未満となるような高純度の試料の合成にも成功しており、今後は反応条件を更に精査することにより、研究を加速させ、ドープ組成と耐熱性・磁気特性の相間を解明する予定である。
|