本課題では、比較的良好な酸化物イオン伝導を示す生体材料であるB型炭酸アパタイト(BCA)をベースとした固体酸化物形燃料電池用電解質の開発を目的とした。結果、脱炭酸処理によって最大10倍まで導電率を向上させることに成功した。また、BCAに対するフッ化物イオンの導入がさらなる導電率の向上に寄与する半面、イオン移動に対する活性化エネルギーの増大につながり、一方BCAへのチタンイオンのドープが、特に炭酸組成6 %(m/m)以上の領域において活性化エネルギーの減少に寄与するものの、ドープ量が過剰であると結晶格子の不安定化につながるとの知見を得た。
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