高双極子モーメントの有機物により液晶分子が配向制御され、π電子相互作用により導電率が向上することを実証した。特に4デバイ以上の双極子モーメントを持つものが有効だった。ダークインジェクション法の装置は、(株)沖田製作所製のNWG-104型高速水銀リレーを用いたものがうまく動作した。電流測定ではブリッジバランスが重要であり、高速アンプの採用は期待したほどの効果が得られなかった。特に浮遊容量の打消しは重要で、ポリバリコンの採用により合わせ込みの高精度化が可能となった。いずれにしても、高誘電率なC=O基を有する材料はπ電子相互作用が大きく、電流増加に効果的であった。
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