研究課題/領域番号 |
25620198
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
櫻井 芳昭 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50359387)
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研究分担者 |
佐藤 和郎 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30315163)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イメージセンサ / 窒化珪素膜 / 塗布型透明導電膜 / PEDOT:PSS / 低電界電着 / ナノ顔料分散ポリマーコロイド / マイクロレンズアレイ |
研究概要 |
1.イメージセンサの窒化珪素膜への塗布型透明導電膜の作製 窒化珪素膜上への水溶性導電性高分子PEDOT:PSSの塗布を実施するために、PEDOT:PSS水分散液に対し、水と親和性の高い溶媒を検討したところ、プロピレングリコール、ブチルセルソルブを選択した。選択したそれぞれの溶媒では、PEDOT:PSSの分散性能を向上することができなかった。そのため、プロピレングリコールとブチルセルソルブの混合溶液を検討した。その結果、PEDOT:PSS分散液: propyleneglycol: butylcelosolve = 2 mL: 1 mL: 1 mLの溶液を調整し、未処理の窒化珪素膜上にスピンコート(500rpm/30sec→150度C/30min)を行うことで、110nmのPEDOT:PSS膜を作製することに成功した。 2.低電界電着を可能とするナノ顔料分散ポリマーコロイド液の調製 ポリマーコロイドについて、撮像素子の電極配線を壊さず、熱安定性に優れ、化学構造的にも安定な材料を創製した。とくに、メタクリル酸2-ジエチルアミノエチルの割合を解明することで、中性付近でのポリマー電着が可能となるポリマーコロイドを作製した。また、赤、緑、および青、3色のナノ顔料について、顔料の色純度、粒子径とポリマーコロイドとの相溶性の相関を明らかにするために必要な顔料(粒子径数10nm)を調製した。次に、調製したナノ顔料分散ポリマーコロイドを用いて、窒化珪素膜上に作製した110nmのPEDOT:PSS膜を電極として、電着処理を行うことで、顔料分散膜をPEDOT:PSS膜上に作製することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
窒化珪素膜上への水溶性導電性高分子PEDOT:PSSの塗布について、PEDOT:PSS分散液:propyleneglycol: butylcelosolve = 2 mL:1 mL:1 mLの溶液を調整することで、110nmのPEDOT:PSS膜を作製することに成功した。また、窒化珪素膜上に作製した110nmのPEDOT:PSS膜の上にマイクロレンズアレイ用材料の電着まで到達した。そのため、年度目標を達成した。よって、「おおむね順調」である。
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今後の研究の推進方策 |
フォトレジストにより開口部(50μm角パターン)を作製した窒化珪素膜上のPEDOT:PSS膜において、ナノ顔料分散ポリマーコロイドから生成するポリマーとナノ顔料が、析出する条件(低電界での電着電位、電着時間)を解明する。また、顔料分散ポリマーコロイドを形成するポリマーの軟化点を調査することで、電着順序を検討し、各レンズ間距離がゼロとなるフルカラーマイクロレンズアレイ(FMA)を作製する。なお、得られたFMAの透明性、色再現性、耐光性および耐熱性の検討、ならびに表面形状観察および反射結像撮影によるFMAの光学素子としての評価を実施する。作製したFMAのレンズ形状と撮影画像の詳細な分析を通じてイメージセンサへの光集光効率を検討することで、撮像素子としての撮像(光)感度を評価する。さらに、集光機構の解明を通じて新しい原理の提案を行う。
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