研究課題
赤血球はその直径の半分以下の内径しかない細い毛細血管内を詰まることなく循環し続ける驚異的な輸送現象を実現している。この現象を解明するには血液(流体)の挙動だけに注目するのでなく、ソフトな血管(ゲル管壁)の挙動にも同時に網羅的に注目することがソフト&ウェットな流路における輸送現象を解明する上で非常に重要である。申請者の得意とする光散乱の手法を駆使することにより、流体の濃度、粘度、流速、ゲル管壁の弾性率、拡散係数の全てを解析可能である。本研究では、「ナノ・ミクロンスケールでゲルと流体の界面の動的現象を直接in-situ観察する」ことを目的として、申請者独自の走査型顕微光散乱法を活用した世界初の観察装置を開発し、血管というソフト&ウェットな流路における効率的な輸送のメカニズムを解明する。平成26年度は下記を実施した。・流路ゲルの内部構造解析、流路全体のイメージング 走査型顕微光散乱による流路内部の構造解析を行い、流速と粒径の同時測定が可能であることが確かめられた。また、流路を作るゲルの内部構造解析ができることも確かめられた。・ゲル壁面近傍の直接観察 ゲルの表面近傍を直接測定する装置の開発により、ずり流動するゲルの表面の直接観察に成功した。・剛直性を変えた高分子添加物の効果 ずり流動するゲルの表面近傍に存在する流体に高分子を添加しながら、ゲルの表面の直接観察を行い、添加高分子の効果を調べることができた。
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Proceedings of the 12th Asia Pacific Physics ConferenceJPS Conf. Proc.
巻: なし ページ: 0140201-0140204
http://dx.doi.org/10.7566/JPSCP.1.012050
http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp
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