本研究では,ポリマー材料の力学機能の発現において重要である材料内部構造変化と機能特性との相関を評価する実験・解析手法の確立を目的とした.特に,形状記憶樹脂の形状変化機能を対象として,熱力学的負荷時の特性変化を蛍光浸透分光分析により実験的に評価する手法を検討するとともに,分子動力学モデルに基づく動的粘弾性シミュレーションを構築した.その結果,熱力学的負荷に伴う初期の内部構造変化を材料内部への蛍光剤浸透量により検出できることが示された.また,動的粘弾性シミュレーションにより,ポリマー内部のハードセグメントの凝集構造の粘弾性特性への影響が明らかとなった.
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