本研究では,意図的に導入した局所高ひずみ領域の変形場をデジタル画像相関法(DIC)により評価して,この結果を基にナノ薄膜の高ひずみ塑性特性を推定する方法を開発した。切欠きを導入した厚さ500 nmのCu薄膜に対するその場FESEM観察引張試験を実施して,破壊に至るまでの高ひずみ変形場をDICにより取得した。取得した変形場と弾塑性FEM解析結果を比較して塑性特性を推定した。本手法により,引張試験における破断ひずみが1%程度しかない本Cu薄膜に対して,約6%までの高ひずみ領域における塑性特性を推定できた。さらに,本手法をCu薄膜の疲労き裂に適用して,き裂開閉口の定量評価が可能であることを示した。
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