研究課題/領域番号 |
25630016
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森田 昇 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30239660)
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研究分担者 |
松坂 壮太 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30334171)
比田井 洋史 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60313334)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ダイヤモンド / VLSモデル / 触媒 / ナノ加工 |
研究実績の概要 |
(1)水素プラズマ装置の最適化:水素プラズマ装置の安定性が不十分であったため,安定化抵抗値,極板間距離,雰囲気圧力それぞれを変更し水素プラズマが生成する条件の調査をおこなった.安定化抵抗600オーム,極板間距離20mm,雰囲気圧力0.2kPaのとき,プラズマが最も安定し,高い電流密度が得られた. (2) アモルファスカーボン(a-c)からグラファイトへの相変化のラマン分光による分析:a-cはダイヤモンドsp3結合とグラファイトsp2結合を持ち,金属触媒を用いたa-cからグラファイトへの相変化に関する研究は複数報告されている.そこで,ダイヤモンドの相変化の前段階として,a-cからグラファイトへの相変化実験を行った.基板となる単結晶Siを,アセトンを用いて超音波洗浄処理し,a-cを成膜する.その後,触媒となる鉄を成膜する.成膜した試料は真空中でアニーリングを行った.ラマン分光法により同試料の分析を行った.炭素系材料の分析では1580cm-1 付近にグラファイト構造に起因するG-bandと1350cm-1 付近の構造の欠陥を意味するD-bandが現れる.得られたラマンスペクトルはローレンツ関数により2ピーク分離を行い,ピークの強度比,ピーク位置を算出した.この結果から鉄触媒を配置してアニーリングを行うことでグラファイト結晶が析出していると確認した. (3)ダイヤモンドからグラファイトへの相変化:鉄膜厚5nmのとき,鉄ナノ粒子が触媒作用を示したことから,膜厚は5nmで実験を行った.SEM像から鉄薄膜が粒子化していることが確認できた.しかしながら,ワイヤー状のグラファイトは確認できなかった.ラマン分光法でも解析を行った.しかし,解析したラマンスペクトルからは1332cm-1のsp3結合に起因するダイヤモンドスペクトルのみがあらわれ,グラファイトに起因するG-bandは確認できなかった.
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