本申請研究においては,デスクトップサイズに小型化されたマイクロファクトリ概念をさらに拡張し,マイクロメートルスケール部品への加工・アセンブリシステムを実現する超小型工場(セルインマイクロファクトリ)を提案した.これは,数umから数10um程度のマイクロ機能部品・デバイスを自律的に製造可能な数mmから数10mm程度の微小セル自体を工場とみたてるものである.特に本研究では,微小母材のハンドリングや加工時に必要となる微小母材への主供給エネルギー種として,遠隔制御性・並列処理性に優れた光エネルギ-を適用することを考え,セルインマイクロファクトリ実現のための,要素技術を体系化・整理するとともに,実際に基礎実験装置を試作し,提案コンセプトの検証を試みた.具体的な成果は以下のようになる. 1)マルチレーザをセル内において集光制御でき,またセル内を顕微観察可能な,セルインマイクロファクトリ基礎概念検証装置を設計・構築した. 2)粒径10nm程度の光触媒ナノ粒子分散を分散させた硝酸銀水溶液内において,マイクロ機能部品とみなした粒径10umのシリカ粒子をレーザートラップ技術により三次元ハンドリング搬送し,任意のシリカ粒子同士を,光触媒励起レーザー照射により生じた還元銀をバインダとしてマイクロアセンブリできることを示した.
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