研究課題/領域番号 |
25630048
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉井 康彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90345108)
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研究分担者 |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部, 講師 (80434033)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオ流体 / 流体計測 / マイクロデバイス / 白血球 |
研究概要 |
○白血球の運動計測のためのマイクロデバイスの設計・作成 共同利用装置であるクリーンルーム、レーザ描画装置、マスクアライナなどを用いて、マイクロ流路側方より観察可能なPDMS製マイクロ流路を作成した。幅100μm、高さ130μmの矩形断面を持つ直線流路の片側壁面を薄くし、光学的に平坦で、20倍の対物レンズの作動距離より小さくした。 ○マイクロ流路側方より白血球の回転・並進運動を計測するための長焦点マイクロPIVシステムの開発 マイクロ流路側方より観察可能な長焦点マイクロPIVシステムを開発したマイクロデバイス側方にプリズムを設置するなど光学部品の最適化を行い、対物レンズを通して流路内の蛍光観察が可能となった。白血球のモデル粒子として粒径10μmのポリスチレン製粒子に粒径1μmの蛍光粒子を化学的に結合させる方法を検討し、粒子の回転・並進運動の計測が可能となった。また、白血球に粒径1μmの蛍光粒子を貪食させて、標識化し、白血球の回転・並進運動の計測が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ流路側方より白血球の回転・並進運動を計測するための長焦点マイクロPIVシステムを開発し、作成したデバイス内の模擬粒子および白血球の回転・並進運動の計測が可能となっており、計画通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、開発したマイクロ流路側方より白血球の回転・並進運動を計測するための長焦点マイクロPIVシステムと、白血球周りの3次元流れ場を計測するための既存の共焦点マイクロPIVシステムとを組み合わせて、マルチアングルマイクロPIVシステムを開発する。顕微鏡ステージ上のマイクロ流路を2方向から観察するため、光学系の配置やアライメントなどの最適化を行う。開発したシステムをマイクロ流路内の白血球と培養液の流れに適用し、その有効性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は2万円ほどであり、これが生じた理由は、当初の計画では旅費として40万円を計上していたが、当初計画して研究集会への参加を見合わせたために実際には2万5千円程度しか使用していないためである。 マイクロ流路を作成するためのマイクロ加工装置の利用料や薬品やガラス器具などの消耗品費、研究集会での発表の旅費に使用する計画である。
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