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2013 年度 実施状況報告書

石炭チャーを直接燃料とするダイレクトカーボン燃料電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630064
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京工業大学

研究代表者

渡部 弘達  東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40551825)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード燃料電池
研究概要

今年度は,まず,固体炭素を直接燃料とするダイレクトカーボン燃料電池(DCFC)を製作し,活性炭および石炭チャーの発電実験を行った.製作したDCFCでは,アノード,カソード,参照電極には金(Au)を用い,アノードはAr,カソードはO2/CO2雰囲気となっている.アノード周りの炭素/溶融炭酸塩のスラリーと,電解質としての溶融炭酸塩の分離には,平均細孔直径95.6 nmのアルミナ管を用いた.まず,活性炭を用いて発電実験を行ったところ,OCVは,理論値(1.02 V)に近い1.1 V程度となり,最大で50 mW/cm2程度の出力密度を達成した.多孔質アルミナ管による固体炭素と電解質の分離も成功した.さらに,炭素/溶融炭酸塩のスラリーおよび溶融塩をArバブリングによりかく拌したところ,安定した発電を行うことができた.また,DCFCの燃料に,ドロップチューブ燃焼炉で作成した石炭チャーを使用し,発電実験を行ったところ,22 mW/cm2程度の出力密度を達成することができた.
さらに,DCFCのアノードでは,固体炭素と電極の接触という,気体を燃料とする他の燃料電池にはない因子がある.そこで,固体炭素と電極間の接触について検討を行うことのできる実験装置を製作した.この実験では,金電極に,固体炭素を押し付けることで発電を行うようになっており,今年度は,発電中における押し付け力とポテンシャルの関係について検討した.結果として,電流値の増加および押し付け力の減少に伴い,ポテンシャルが減少し,接触抵抗の影響が現れることが示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では,今年度は,微粉炭チャーを用いた発電実験まで進行しない予定であったが,実験が順調に進み,微粉炭チャーを用いた発電実験を行うことができたため.

今後の研究の推進方策

今年度は,I-V特性だけでなく,アノードオフガス特性についても検討を行い,クーロン効率といった観点からDCFCセルを評価する.また,アノードのバブリングによりDCFCの性能向上が期待できるため,バブリングの影響についても検討を進める.

次年度の研究費の使用計画

H25年度末に,論文を執筆し,英語論文校正費用に充てる予定だったが,論文執筆過程において,追加の実験および考察が必要になり,H26年度の投稿と予定を変更したため,次年度使用額を生じた.
英語論文校正費用とする予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 単一カーボン粒子を用いたダイレクトカーボン燃料電池におけるアノード反応挙動の解明2014

    • 著者名/発表者名
      渡部弘達, 古山知諒, 岡崎健
    • 学会等名
      化学工学会第79年会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20140319-20140319
  • [学会発表] 微粉炭チャーを直接燃料とするバブリング型ダイレクトカーボン燃料電池の開発2014

    • 著者名/発表者名
      古山 知諒, 渡部 弘達, 岡崎 健
    • 学会等名
      化学工学会第79年会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20140319-20140319
  • [備考] エネルギー事象分野 岡崎研究室

    • URL

      http://www.mech.titech.ac.jp/~epl/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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