高発熱密度の電子機器の冷却問題に際し、沸騰による潜熱輸送を利用した二相流体ループは優れた熱伝達および熱輸送特性を実現できる。冷却システムとしては、限界熱流束の増大、伝熱面表面温度の低下、沸騰開始時の伝熱面温度オーバーシュートの低減、不凝縮ガスの混入防止等が要求される。 これらをすべて満たし得る冷媒として新たに非溶解性混合媒体に着目し、基本的な沸騰特性を明らかにするために、プール核沸騰の実験を行った。その結果、各成分蒸気分圧の和による過度な圧縮作用に伴う両成分液体のサブクーリング、低沸点成分の優先的蒸発などによって、期待された性質のほとんどすべてを確認することができた。
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